[地方議員]地方議員から「誇りある国づくり」を~松田 良昭 日本会議神奈川議員懇談会会長、川本 学 事務局長に聞く(令和2年11月)
■県・市町村議会議員一体となった議連
― 現在、全国8ブロックのうち、関東、近畿、中四国、九州の4つのブロックで議連が設立されました。3つの政令指定都市を抱える神奈川県では、この度、県・市町村議会議員が一体となって憲法改正にむかうべく、日本会議神奈川議員懇談会が設立されました。
松田◆
本来であれば47都道府県それぞれに議連ができることが望ましいのですが、それぞれの地域には特色や課題がありますから、全てに都道府県議連を作るのは、そう簡単ではありません。しかしそういった部分を互いに補い合っていくという意味で、ブロック議連を立ち上げていっているんですね。
国民運動にしろ、政治運動にしろ、それを行っているのは「人」です。憲法改正運動にしても、それに取り組んでいる一人一人の点が線となり、線と線が面となり、それが立体的になっていく。そうやって一人一人の熱い想いがつながり合っていくのが、ブロック議連だと思うんです。
川本◆
この度、設立した神奈川の議員懇談会に所属するのは、自民党の現職議員だけではありません。無所属の議員や元議員、これから議員を目指している、という人たちが結集しています。
元々は3月25日に発会する予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために延期となりました。しかし、この憲法改正運動の先陣を切りたい、との思いで、この度県議会議員はもちろん、市町村議員一体となって憲法改正運動に取り組むための議員懇談会を立ち上げました。
■時代の先駆けとなってきた神奈川
川本◆
歴史的に見て、幕末の横浜開港に始まり、鉄道はじめ、様々な文明がもたらされ、全国の近代化の先駆けとなった地であり、「神奈川から日本の新しい時代が始まった」と言われております。
― と、言いますと?
川本◆
ペリーが浦賀に来航し、我が国は開国しました。もっと遡ると600年にわたる武家政権発祥の地は鎌倉でもあります。時代の変化の時には、実はここ神奈川から動き出しています。
松田◆
一方で、75年前の8月30日にはマッカーサーが厚木に降り立ちましたね。そして横浜のグランドホテルに入り、日本弱体化のために動き始めました。我が国の伝統を潰される、その出発点もまた神奈川だったと思っています。
川本◆
そういう意味でも、ここ神奈川から日本の伝統を取り戻す憲法改正運動のうねりを起こしたいと思っているわけです。
懇談会の設立大会は人数を制限し、約一〇〇名の方々にお集まりいただきました。会長である松田県議からのご挨拶の他、来賓として元参議院議員で日本会議神奈川会長の斉藤文夫氏、元横浜市議会議長で日本会議神奈川横浜支部長の藤代耕一氏、師岡熊野神社宮司で全国神道政治連盟副会長の石川正人氏にお越しいただきました。
― 県議会議員だけでなく、市町村議員も一丸となって憲法改正運動に取り組んでいく体制が作られた、という点では、全国的にも画期的ですね。
川本◆
都道府県議会議員で構成される議連は全国でも40都道府県で設立されていますが、神奈川県では政令指定都市である川崎市でも議連が設立されています。また衆議院選挙区ごとに設立される「国民投票連絡会議」は、18の選挙区のうち、8つの選挙区ですでに設立されていて、他に7つの選挙区が設立準備中です。
■自分自身に誇りを持つために
松田◆
運動を行っているのは、一人一人の「人」であるというお話をしましたが、これもそういった「人」が集まってきた、ということだと思います。憲法改正への思いを持った人たちが自発的に動いてきた結果だと。
川本◆
憲法改正っていうと難しい問題のように聞こえますが、分かりやすく言えば、「自分の家(国)のルールは自分で決めたい」、ということでしょう。
75年前、自分の家(国)のルールを他所(他国)の人たちに決められてしまった。もうそろそろ自分の国のルールは自分たちで決めましょうよと。それが憲法改正ということだと思います。
松田◆
私は日本ほど良い国はないと思っています。日本という国にも誇りを持っていますし、日本人である自分にも誇りを持っています。幼いころから、祖父や父から「自信を持て」と言われて育てられました。ですので、「日本が嫌い」「日本に誇りを持つことができない」という人たちが、なぜ、そういう考えを持ってしまうのか、どうしても理解ができません。
私自身は、誇りある国・日本をよみがえらせたい、皇室のすばらしさを伝えたい、と思っています。そのための憲法改正なのです。
幸いにも神奈川県には、憲法改正への熱い想いを持った「人」がたくさんいます。そういう人たちの思いを大事にしつつ、また互いに励まし合いつつ、ここ神奈川県から時代を動かしていきたいと思っています。
(8月26日インタビュー/『日本の息吹』令和2年11月号より)
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[地方議員]地方議員から「誇りある国づくり」を~柳居俊学 山口県議、弘田兼一 高知県議に聞く(令和2年9月)
日本会議中四国地方議員連盟
会長 柳居 俊学 山口県議会議長
■中四国地方議員連盟が設立
― 7月22日に、日本会議中四国地方議員連盟が設立されました。中四国では、広島県議連が平成19年、岡山県議連が平成26年、山口県議連が平成29年に設立されましたが、そこからしばらく中四国地方の他の県の議連設立はありませんでした。しかし、柳居先生の各県へのお声かけで中四国議連をまず作ろうとなりました。
柳居◆
憲法改正の大きなうねりを作り出すためにも、協力させていただこうと考え、昨年10月に中四国議連設立に向けた第一回の世話人会を岡山で、第二回を2月に広島で開催しました。
弘田◆
昨年秋に、山口県議会議長の柳居俊学先生から、「中四国議連を作りたいので協力してほしい」とのお声掛けをいただき、我が高知県でも議連を作ろうということで動き出しました。当初、個人の意志で日本会議に加入していた自民党会派の県議が6人おりましたので、まずはそのメンバーに声を掛け、協力を呼びかけました。その後、12月議会で議連の設立を提案しましたところ、会派の21人の議員全員の賛同を得て、12月19日に高知県議連を設立致しました。
柳居◆
鳥取県が本年3月14日に設立されました。島根県では「憲法改正にかかわる研究会」が発足し、愛媛、香川についても、現在設立準備中です。7月22日に広島市で開催した中四国議連設立総会は、中本隆志広島県議会議長はじめ広島県議の皆様に尽力戴き、広島県下の多数の市町村議員にも出席戴きました。
■「コロナ」で明らかにされた危機管理の問題
― 中四国議連の設立大会は、当初4月に予定されていました。
弘田◆
新型コロナウイルスの影響で延期となり、7月の設立となりました。
実は、高知県議連の中でも憲法に対していろんな考えを持った人がいます。そういう人たちに対して「新しい時代にふさわしい憲法議論を進めましょう」と呼びかけてきたのですが、この度の新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、我が国の憲法には、こうした事態に対する危機管理という視点が抜けていることが明確になったわけです。メディアなどでは「コロナを憲法改正のツールにするな」といった意見もあるようですが、しかし現実的に、今の憲法では国民の生命、財産を守るための迅速な対応ができない、と言うことが露呈されました。
― 給付金の支給が遅いなどといった指摘もありましたが、これは安倍政権が悪いというより、緊急事態条項など、有事の際に対応するための仕組みがないことが問題なわけですね。
弘田◆
しかし一方で、そういった憲法の問題について国民、県民に知ってもらうための我々の努力が不足していた、というのも事実です。緊急事態になってから気付いたのではどうしようもありませんから。
ですから、こういったことについてさらに見識を深め、また地元の方々に知っていただくためにも、高知県議連として憲法改正に向けた研修会を行っていきたいと考えているところです。
■安倍総理と共に憲法改正を
柳居◆
最近の新聞での世論調査などを見ていても、憲法改正を望む国民世論が高まりつつあるように感じています。けれども、一部の護憲野党は、全く審議に応じようとせず、憲法改正原案の審議の前段階となる「国民投票法」改正案の審議すら、提出から2年も放置され続けています。
安倍総理のご発言などから、私は、総理は憲法改正に強い意欲を持っていると感じています。6月20日、橋下徹氏と対談された際も、「何とか任期中に国民投票までいきたい」と述べられていますね。また憲法審査会での審議停滞についても「民主主義は、全員のコンセンサスが取れればいいが、それは無理だ。その時は多数決で決めていくということだ」と発言されています。
これまで憲法審査会では、与党野党全会一致で話を進めるという慣例を利用して、護憲政党がその審議をストップさせてきた現状がありましたが、これを突破する意思の表明だと思います。長年憲法改正を望んできた私としては、安倍総理にはリーダーシップを発揮して、憲法改正に突き進んでいただき、地方議会においては憲法改正論議を求める意見書の採択や各地域での憲法改正研修会の開催など、地方でできる運動に更に取り組んでいきたいと思います
弘田◆
憲法改正というと9条や緊急事態条項がクローズアップされますが、地方に住んでいる者としては、地方を如何に活性化するのか、ということも喫緊の課題です。特に平成28年の参議院選挙から、高知と徳島、鳥取と島根は合同選挙区となりました。これではそれぞれの県の民意を伝えることが難しくなりますし、将来的に四国で一人、などということにもなりかねません。各都道府県で定数1は保障する、ということを憲法に明記すべきだと考えています。
(7月22日インタビュー/『日本の息吹』令和2年9月号より)
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