歴史誤認の「日独友好決議」が強行採決!-日本会議国会議連、退席を呼びかけ
日本とプロイセン(ドイツの前身)が修好通商条約を調印してから150年に当たる今年、日独両国を「侵略国」と断罪するような「日独友好」の国会決議について、
(※決議文内容などについてはこちら→http://www.nipponkaigi.org/opinion/archives/2294)
4月22日午後、衆議院で開催された本会議で残念ながら採択が強行されてしまいました。しかし、当初の「侵略」の表現は削除され、また反対・退席者が続出する決議となりました。
日本会議国会議員懇談会では、本日(22日)、採択されることがわかると下記の見解を出し、賛同する衆院議員に、採決時に退席するよう呼びかけました。
採択の前に開催された自民党代議士会では、日本会議所属議員より党執行部に対して、批判が相次ぎました。その結果、自民党執行部は党議拘束を外して本会議にのぞむむねを発表したと言います。
「日独決議」を行うことは既に了解事項となっていたので、採択されてしましましたが、平沼赳夫日本会議国会議員懇談会会長をはじめ、多数の自民党・衆院議員や、たちあがれ日本の園田博之幹事長らが相次いで退席。麻生元総理、安倍元総理も退席し、森元総理、福田元総理が反対しました。
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「日独決議」への反対理由
1、日独両国の友好増進に「各国と戦争状態に入り、多大な迷惑をかけるに至った」というような過去の歴史認識は必要ない。それより、この度の災害支援に際して、ドイツへの謝意の文案が一言も入ってないことこそ異常で、その表明こそ友好増進になる。
2、文案は戦争開始時期の歴史事実を誤認しており、両国が、同盟を結んだ後、世界に戦争を行ったという誤解を与えるもので、国会の見識が疑われる看過できない重大な誤謬である。
※ドイツの戦争は、1939年、ポーランド侵攻に始まるが、日独伊三国同盟が締結されたのは、1940年である。決議案にある「一九四〇年に日独伊三国同盟を結び、同盟国となった。その後、各国と戦争状態に入り」という文脈では、同盟関係の後、戦争になったという事実関係となり、歴史事実に反している。
3、このようにドイツとは、開戦に至る時期も経緯も異なる。それを一方的に両国が「各国と戦争状態に入り、多大な迷惑をかけるに至った」と同一に論じれば、特にユダヤ人殲滅を企図して計画的に虐殺を実施したナチスドイツのホロコーストを含むドイツの歴史と我が国の歴史を同一視することになり、断じて容認できない。
平成23年4月22日
日本会議国会議員懇談会
会 長 平沼赳夫
幹事長 下村博文