[ブラジルからの提言]肇国の精神に還れー米は日本の原点
古代より日本の国は瑞穂の国と呼ばれ、水稲栽培が行われ、米を主食とする国であった。これは戦前まで日本を支える中心的な生活習慣であったが、戦後米国軍隊が進駐するに及び食生活を変えた。小麦より作るパン食が日本人の生活に入り込んだ。米の消費量が激減し、現代に見る減反政策なるものが農政の中心におかれ、米の生産を抑える時代となっている。
日本の米は美味しい。世界で一番美味しい米は日本の水田米である。
超高関税を設定し、事実上の輸入を塞いでいる。その見返りに毎年7.7万トンの米を輸入し、加工用、焼酎などに使われている。農家には減反政策で作らせず、一方主要穀類の供給力=穀類自給率が40%をきり国防的見地からは危機であると騒いでいる。
ブラジルの日本人から見た日本の米の農政に一言したい。
*ブラジルの主食は米である。が陸稲中心で日本式の水田米はわずかしか生産されていない。ブラジルに住む日本人は国内産の水田米を陸稲の3倍位の値段を払って食べる。北米から輸入される水田米はブラジル産の水田米の倍位の値段で販売されているが、陸稲と比べれば6から7倍もの高価な米となり、一般の日系人では変えない価格となる。市場での自由競争が、日本産の米の美味しさ、安全さ、地産地消を推奨すれば、政府が無理やり米価の調整をしなくとも、落ち着くところへ落ち着き、消費者の自由選択の中で、米の消費が奨むものと思う。
*健康に対する米の優位性をもっと宣伝するべきであると思う。パン食や麺類は、日本人の体質に合わない。これらを常食すると必ず太る。ブラジル生れの日系人の太り方を見ているとそれがハッキリわかる。勿論西欧人の食生活は麦中心であるから、太った人が多いが、これも同じ原因であり、多病質殊に心臓病になりやすくなるのではないか。
*ブラジルでは日本食が大流行である。サンパウロではブラジル特有の焼肉店の閉鎖が相次ぎ、日本風寿司店が雨後のたけのこのごとく出来ており、焼肉店(churrascariaという)を数の上で凌駕している。また焼肉店に寿司が並ぶまで普及している。日本の食習慣を世界に広める時が来ており、日本の農政に濃いう現象が生かされるべきである。
以上3点、ブラジルからみた価格面、健康関係、食生活の変化の面をあげたが、本来の日本の米の持つ優秀性、農政面での不備、農家に対する補助のやり方、農地に対する税制など日本特有の問題点がある。TPPでも最大の焦点となっているようだが、この際の改革は、日本の立ち上げのためにも必須要項となっている。
(ブラジル日本会議 理事長 小森広 25/11/15)
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