[ブラジルからの提言]アメリカの覇権は揺らいでいる
贅沢は経済の敵である。贅沢は文化のバロメーターではある。しかしそこには、国家の安定はない。アメリカは第1次世界大戦を機に大きく伸びた国であり、国際連盟の成立した1922年ごろから世界を動かすようになっただけで、覇権を取って100年は経ってはいない。
10月17日にはデフォルト(経済破綻)かと騒がれた。上下両院は時間ぎりぎりいっぱいで債務上限枠の暫定的拡大で合意し、デフォルトをまぬがれた。前提という言葉が付いているとおり、来年2月まで問題を先送りしただけで、仮合意に過ぎない。
債務の上限は今までの16.7兆ドルから17.3兆ドルに繰り上げられ、一時凌ぎとはなった。しかしアメリカ政府は世界一の負債を抱える国というだけではなく、この債務の48%に値する金額を海外から借金で賄っており大よそ8兆ドルである。アメリカといえど、万一ドルが国際通貨でなくなると、暴落したドルで借金を返さなければならない。世界の経済に与える負の影響は計ることが出来ないほどの大きなものとなるであろう。
それに引き換え日本国民は勤勉で且つ節約、自然災害に対する用心からびっくりするほどの預貯金を保持している。もちろん世界で唯一国、海外にある資産は630兆円=おおまかに6.3兆ドル。負債を引いても2.7兆ドルを持つ金満国家である。勤勉な日本人は労働をいとわず、贅沢をせずに勤勉努力の一生をすごす。世界中どこを探しても日本人のような性質を持った国民を有する国はない。国民こそ日本の最大の宝であり、今まさに世界の宝とならんとしている。
日本は覇権など必要としない国柄である。世界一の平和な国であり、世界一良質な文化の国である。歴史より紡ぎだされた調和の国であり、相手を思いやる心を持った国民の住む国である。覇権などという力を誇示することよりも、天皇がお示しになる大和の心を大事にする。世界の人々がお互いに労わりあい、お互いに助け合い、お互いに分け合う心を、世界中の人々にに見せ、平和であることの素晴らしさを知らせる国になろう。
デフォルトの響きは、やむことはない。5年先か10年先にはきっとおこる。
アメリカ人の持つ贅沢主義、金銭崇拝主義、強いもの勝ちの考えが無くならない限り必ず実現する。そのときに備え、日本は着々と準備せねばならない。
世界は日本がその底力を見せる時を待っている。日本しか出来ない平和の仕事が真近じかに迫っている。日本!がんばれ。
ブラジル日本会議 理事長 小森 広(25/11/03)
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