[報告]9/4 尖閣上陸、竹島占拠、韓国大統領暴言に抗議する緊急集会
9月4日、衆議院会館に645名が集い、「尖閣上陸、竹島占拠、韓国大統領暴言に抗議する緊急集会」が開催されました(主催/日本会議、日本会議国会議員懇談会、日本会議地方議員連盟)。
平沼赳夫氏の主催者挨拶の後、青山繁晴氏、西岡力氏が提言。
国会議員は、75名(代理含む)が出席され、安倍晋三氏、馬淵澄夫氏、新藤義孝氏、下村博文氏、山谷えり子氏が挨拶を述べられました。
東京都議会議員の小礒明氏からの提言の後、集会の総意として「声明」が採択されました。
この声明文は、集会後、首相官邸に「要望書」として届けられました。
(各登壇者の発言要旨を以下に、「要望書」全文を発言要旨の下に掲載。)
●平沼赳夫氏 (日本会議国会議員懇談会会長)
北方領土、竹島、尖閣諸島の問題は全く進捗していない。その大きな原因は日本国憲法にある。現行憲法前文に「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とあるが、ロシア、中国、韓国は「平和を愛する公正と信義」がある国なのか?外交上の屈辱的なこの案件を解決するために、自主的な正しい憲法を作らなければならない。
●青山繁晴氏 ((株)独立総合研究所代表取締役)
日本は、敗戦国であり、資源の無い国であるから頭を垂れていないといけないという思い込みを今こそ克服すべきだ。今回の竹島・尖閣の侵略行為の元になったのは、7月3日のロシアのメドベージェフ大統領の国後島への侵入であった。北方領土とは北方四島のことではない。ロシア(旧ソ連)はサンフランシスコ講和条約に調印・批准していない。南樺太、千島全島は日本のものであるというところから交渉して頂きたい。
竹島については、国際司法裁判所に単独提訴になっても、毎月毎月繰り返し国連に提訴することが必要。その上で、国連自体を改革しなければならない。国際司法裁判所、国際海洋法裁判所は、当事国の同意が無いと提訴出来ないが、これに不満を持っている国々は多くある。当事国の同意が無くても提訴自体を審議する機関をつくって多数決で裁判を開始できるようにすべきである。
尖閣については、自衛隊が駐留出来ないという思い込みがある。近く中国では極めて軍に近い政権が誕生する恐れがある。中国は軍事力を行使してきたときに、我が国の憲法には「国の交戦権はこれを認めないとある」ので、日本は対抗できない。それ故、自衛隊をまず駐留させておかなければならない。これを9月中にやらなければ、10月以降、中国が素早い動きに対応出来なくなる。
●安倍晋三氏 (元内閣総理大臣)
尖閣は、我々が生命を賭けても守るという覚悟と決意を示さねばならない。憲法改正は当然であり、来る選挙で争点にしていかねばならない、
昭和52年、石川県で久米裕さんが拉致された。そして、主犯格は北朝鮮工作員のキム・セホだと分かっていながら、憲法前文の精神に則り実行犯を釈放してしまった。外交・安全保障はメッセージである。その結果、2カ月後、横田めぐみさんが拉致された。戦後体制は13歳の少女の人生を守ることができなかった。この事実に、我々は真剣に向き合わねばならない。
●西岡力氏 (東京基督教大学教授)
慰安婦騒動は、20年前から始まっているが、慰安婦問題は無いというのが20年前から変わらない私の立場だ。慰安婦はいたが、問題は無いというのは、今も解決しなければならない問題があるということだが、そのような問題は無い。
竹島問題についても、昭和40年に日本は国交正常化をして、基本条約を結び、経済協力3億ドルを無償で供与した。その時、韓国も外務省同士で交換公文というものを出して、紛争があったら話し合いで解決し、それが出来なければ国際調停にかけると、事実上問題を先送りした。韓国も、日本が竹島の領有権について主張することは黙認する。そして警備を強化しないということを金泳三政権までは守っていた。ところが日韓関係を離間させようとする勢力が伸張し、金泳三大統領以後の大統領は愚挙を重ねてきた。今回の韓国大統領の竹島上陸が愚挙だということを、韓国に徹底的に知らしめるためにも、日本は竹島問題の国際化を図るべき。日本は配慮・遠慮する交流を進め、相手の話だけを聞いてきたが、徹底的に日本の主張を世界に広めなければならない。本日の声明に一つ付け加えたいのは、歴史問題についても政府の専門部署を作るべきだ。今までの外交は失敗だったわけだから外務省の外に、担当大臣も予算も付けて、徹底的に、歴史認識の一致は無いことを言いながら、韓国が北朝鮮と中国に利さないに戦略的配慮をし続けることが必要だ。
●馬淵澄夫氏 (元国交大臣)
外務省など関係省庁と領海警備法を作ろうとしたが、周辺諸国との政治的ストレスを生みかねないと押し返された。これが事なかれ主義外交の根底にあるものだ。
その後、国交省のみで法改正をする取り組みに着手した。困難なのは分かっていたが、政権が変わっても、我が国の領海を守る、それが政治家の使命だと任じ、海上警察権のあり方に関する国土交通大臣基本方針を発表した。8月15日の香港の活動家が尖閣諸島・魚釣島に上陸した。それを止める手立ては無かったのか。もしあの段階で法律が通っていれば、外国船舶航行法によって退去勧告を行い、それに従わない場合は、立入検査をすることなく、拿捕し、領海を警備する断固たる姿勢を示すことが出来た。なぜいち早く成立出来なかったのかと国家議員としての責任を感じる。今後は、憲法改正も視野に入れながら、具体的に実行できる施策を更に検討し、より強固な領土領海の守りを固めねばならない。
●新藤義孝氏 (衆議院議員決算行政監視委員会委員長)
今、国を守るための覚悟と行動が問われている。我が国には、領土・国家主権を守ることを担当する役所がない。それを作らねばならない。また、シンクタンクを作る必要がある。尖閣は我が国の領土でありながら、誰も近づいてはならない、上陸してはならないと政府は言い、そして外国人は勝手に上陸しても食事を与え、ビジネスクラスの飛行機で返してしまう。こんな事がありえるのか。
政府が国有化して使って行くと言っているが、それなら何故、国会議員が上陸できないのか。島に避難港を建設や電波塔、気象台、さらには海上保安庁の詰め所を建設するためには、上陸しなければ設計しようがない。国会の常設委員会である決算行政監視委員会として上陸申請をしているが、政府・民主党が合意しない。今のまま、誰も近づかせないための国有化なら意味がない。是非とも国民の皆さんからも、国会の代表として、我々の上陸調査を後押し頂くことをお願いしたい。
●下村博文氏 (日本会議国会議員懇談会幹事長)
中国は10月にも尖閣上陸を目指していると聞く。南シナ海の例からすれば、偽装漁民、活動家が上陸し、それを保護するといって、中国軍隊が入ってくるのは間違いない。今の状態では尖閣は中国にみすみす奪い取られ、取り返しのつかないことになる。
領海警備法案が国会で通っただけでは、解決できない。実効支配を強化するために施設を作り、海上保安庁の職員、自衛隊の隊員が常駐させるべきだ。二度と中国人が上陸出来ないようにすることが必要だ。
●山谷えり子氏 (日本の領土を守るため行動する議員連盟会長)
今回、領土議連と地方議員連盟と魚釣島に上陸しての慰霊祭を申請したが、却下された。洋上で慰霊祭を行い、来年は必ず、上陸して慰霊祭を行う、それが実現できる政権を作ろうと皆で誓い合った。
魚釣島のすぐそばまで船で行き、かつお節工場も良く見えた。かつての家々の跡、水を貯めも良くわかった。それを見て、これは開拓の心だ、海から恵みを頂きながら、南の守りとして250人、一人ひとりが開拓団としてお住まい下さっていたんだと分かった。この尊い気持ちを私たちは引き継がねばならない。
●小礒明氏 (東京都議会議員)
洋上慰霊祭で魚釣島近くまで行ったが、灯台の光は本当に小さかった。政府は、石垣島を始めとする先島諸島の漁民の皆さんの命をどう思っているのか。しっかりとした灯台を今すぐ作り、避難港を作り、航海の安全を確保するのが、日本政府として当たり前にすべきことではないか。
日本の領海内で、安全に堂々と操業できる。これこそが「平穏かつ安定的に維持管理する」ことではないか。今後、あらゆる実効支配を強化しなければ、ますます中国は尖閣諸島への歩みを進めてくる。
政府は、尖閣諸島を買っても、日本人を上陸させないどころか、近寄らせない。中国が喜ぶ事ばかりやろうとしている。まず東京都が購入し、しっかりした実効支配をし、その後、国が我が国の領海・領土・主権をしっかり守る。有人化が一番大切であるが、プロセスを踏まえて実効支配を固め、尖閣諸島を断固として守って行かねばならない。
--------------------------------
■李明博韓国大統領の竹島上陸に対する要望書
八月十日午後、韓国の李明博大統領は、日本政府の再三の中止要請を無視し、韓国歴代大統領としては初めて、竹島に上陸するという暴挙に出た。
李大統領は、今回の上陸を「地方視察」と語り、「日本政府は歴史問題に誠意が
なく」、反発は「理解できない」としている。また、天皇陛下の韓国訪問に言及し、あろうことか「独立運動家の遺族に心からの謝罪を行うなら来てよい」と強弁したが、こうした非礼極まりない言動は、日韓友好へ向けたわが国政府と国民の努力を水泡に帰すもので、断じて容認できるものではない。
いうまでもなく竹島は、歴史的に見ても、国際法的に見ても我が国固有の領土であり、韓国による竹島の領有は、サンフランシスコ条約が発効するまでの間隙をぬって強行された不法占拠である。国際法上何ら正当性を有しないというのが、我が国政府の変わらざる立場だ。
しかしながら、大統領上陸という事態を招来した原因の一端は我が国政府にもある。竹島のみならず、北方領土、尖閣諸島など我が国固有の領土・領海をめぐる周辺諸国の実効支配の強化や領有権の主張に対して、歴代政府はこれまで有効な対抗措置をほとんど講じてこなかったからである。そのため、近年はロシア大統領の北方領土視察や軍事演習の強化、尖閣諸島海域における中国公船の度重なる領海侵犯やこの度の中国人活動家の不法上陸、竹島における埠頭などの整備や観光事業の推進などが顕著となっている。既に竹島は、韓国による不法占拠が六十年も続いている。
私たちは、次の点について政府が毅然と対処するよう強く要望する。
一、天皇陛下に対する謝罪の要求に抗議し、発言の撤回と謝罪を求めること。
二、野田首相は我が国の竹島に対する領有権を内外に明示する総理大臣談話を発表すること。
三、全省庁上げて竹島問題に対応するよう、この問題を所管する対策本部を内閣府に設置し、併せて「竹島の日」を制定することなど、各種啓発活動、国民運動並びに国際広報を行うこと。
四、国際司法裁判所への提訴の手続きを進め、あらゆる外交チャンネルを通じて我が国の立場を主張し諸外国の理解を促すこと。
五、領土・領海に関する正しい理解を次世代に伝えるため、学校教育において我が国の立場を正しく教える領土教育の充実を図ること。
六、過去・現在の韓国との外交関係を見直し、河野官房長官談話、菅総理談話の撤回、教科書検定基準から「近隣諸国条項」を削除すること。
七、現在両国政府間で実施されている通貨スワップなどの経済協力を即時凍結すること。
平成二十四年九月四日
日本会議国会議員懇談会
日 本 会 議
日本会議地方議員連盟
-----------------
■尖閣諸島に不法上陸した中国人釈放に対する要望書
八月十五日、尖閣諸島の領有を主張する香港の運動団体の中国人活動家が魚釣島に不法上陸、我が国は直ちに十四人全員を逮捕した。これに対し中国政府は、「即時無条件の釈放」を要求、日本政府は八月十七日、中国政府の要求を呑み全員を強制送還した。
尖閣諸島は、歴史的にも国際法的にも我が国固有の領土あり、中国側の不法行為が我が国の領土で繰り返されたことに断固抗議するとともに、領土領海の防衛に対する我が国政府の弱腰な対応に激しい憤りを感じざるを得ない。
ことの経緯を追ってみると、不法上陸の恐れありとの情報に基づき海上保安庁は十数隻の巡視船艇を同海域に派遣、領海内への侵入阻止をめざしたが、遺憾ながら上陸に至った。抗議船は、海保の巡視船が接舷を試みた際、レンガを投擲して妨害した。 かかる行為は「公務執行妨害」が適用される刑事事件として、司法が厳正に裁くべきものである。しかしながら、「強制送還」措置が取られたことは、我が国が中国の不当な要求に屈し、政治決着を図ったとみなされてもいたしかたないと言えよう。
今回の事件は、過去の尖閣不法上陸事件や中国漁船体当たり事件の再来であり、我が国の司法制度をもねじまげるもので、決して容認できない。歴代政府がかかる屈辱的な外交と政治的決着を繰り返すならば、敵対的な外国勢力は次々と領海侵犯、不法上陸を将来にわたり繰り返し、我が国の主権が侵害され続けること必定である。
我々は、一昨年の中国漁船の領海侵犯事件以降、尖閣諸島の実効支配の強化を求め全国で二百二十四万の署名、国会議員二百五十五名、地方議員四千百二十八名の賛同を得てきた。我々はここに、我が国の領土・領海の保全に万全を期すため、政府・国会が早急に次の施策を実行するよう要求する。
一、去る八月二十九日に国会で成立した改正「海上保安庁法」「外国船舶航行法」に基づき、直ちに我が国領海警備体制の強化を図ること。
二、抗議船の領海侵犯から逮捕に至る記録映像を全面公開すること。
三、尖閣諸島が歴史的・国際法的に我が国固有の領土であることを学校教育や国際広報を通じ、国内外に積極的に知らしめること。
四、尖閣諸島に海上保安庁、自衛隊などを常駐させるとともに、周辺海域の常時監視体制を強化すること。
五、尖閣諸島に灯台や避難港を整備するなど、実効支配の強化に取り組むこと。
六、自衛隊に領土・領海警備の任務を付与する自衛隊法改正を早急に進めること。
七、国家主権の侵害を目的とする領土・領海・領空侵犯を取り締まる新たな法整備を行うこと。
八、北京駐在の丹羽大使の公用車に対する襲撃、並びに我が国国旗の強奪に対して、中国政府に犯人の厳正な処罰と謝罪、再発防止を求めること。
平成二十四年九月四日
日本会議国会議員懇談会
日 本 会 議
日本会議地方議員連盟