[地方議員]地方議員から「誇りある国づくり」を~鈴木 智 日本会議地方議員連盟福島県支部幹事長、渡辺 康平 事務局長に聞く(令和2年12月)
■5つの選挙区すべてに連絡会議が設立
― 8月末から9月末にかけて美しい日本の憲法をつくる国民の会で憲法研修会推進活動を行い、憲法改正の国民投票に向けた憲法研修会や街頭活動を行ってまいりました。しかしながら昨今の新型コロナウイルス感染防止の観点から、東北ブロックでは本憲法研修会を行うことができませんでした。こういった状況にありながらも、福島県議会の先生方には、自主的に憲法研修会を開催していただきました。
渡辺◆
福島県には5つの選挙区があり、全ての選挙区で憲法改正連絡会議を設立しています。今回は第3選挙区で、しかもまだ研修会等を開催していない須賀川市で、9月13日に「公開憲法フォーラム」を開催しました。講師には参議院議員の佐藤正久先生にお越しいただき、コロナウイルスと憲法の問題、さらには外交、安全保障についてお話しいただきました。103名の方にご参加いただきましたが、「自衛隊が前面に出てコロナウイルスへの対応を行っているにも関わらず、その自衛隊の存在が憲法に明記されていないのはおかしいのではないか」といった感想が寄せられました。
コロナ禍でのフォーラム開催であり、会場の収容人数を50%にするということや感染防止対策をとるということで開催自体が大変でしたが、佐藤先生から、今身近にあるコロナウイルスと憲法の課題を結びつける問題提起をしていただきましたので、非常に意義あるものとなりました。ここから更に憲法改正に向けた機運を盛り上げていきたいと思った次第です。
鈴木◆
今後の動きについてはまだ白紙ですが、コロナの状況を見ながら、勉強会などの開催を考えていきたいと思っています。
■県連として「ネット署名」に取り組む
― この度、自民党福島県連として、憲法改正に賛同する「ネット署名」に取り組む方針が取りまとめられたそうですね。これは全国でも初めてのことであり、非常に画期的です。
鈴木◆
9月14日に第1回東北議連設立世話人会が開催されまして、私は日本会議地方議員連盟福島県支部の渡辺義信会長の代理としてそちらに出席しました。その際にこの「ネット署名」についてのPRを聞き、これはぜひ福島県でも積極的に取り組みたいと思ったんですね。そこで早速福島に持ち帰り、憲法改正推進本部の中で提案しました。
― 具体的には?
鈴木◆
憲法改正推進本部の役員さんとも更に協議をしたうえで、SNSが普及していますので、主にフェイスブックに「ネット署名」のQRコードを貼りつけたり、ツイッターで「#変えよう憲法」のタグを書いたりして拡散する方法を考えています。他に、このQRコードのついたチラシなどをコピーして手渡しする方法も考えています。
渡辺◆
自民党の福島県連で「ネット署名」に取り組む方針が固まりましたが、これは県連で独自に取り組んでいるものです。しかしながらやはりこういうものは、自民党本部や国会議員からの呼びかけがあった方が、地方としても動きやすい。
鈴木◆
党本部からのトップダウンと、私達地方議員からのボトムアップの双方が必要だと感じています。
― 日本会議地方議員連盟福島県支部の状況や今後の取り組みはいかがでしょうか。
鈴木◆
福島県支部は設立されましたので、今後は市町村への呼びかけを行っていく予定です。コロナ禍でどの程度できるかは分かりませんが、選挙区別に集まって、呼びかけていければとは思っています。私は5区ですが、まず地元のいわき市、続いて双葉郡の皆様にお声がけをしてまいりたいと考えています。
渡辺◆
私は3区ですが、ここは約19の市町村があります。また、自民党議員よりも保守系無所属の方が多い。このように地域によってかなり違いがありますので、地域ごとに対応していかなければなりません。
■自衛官たちは憲法9条の問題で悩んでいます
― 最後に、憲法についてのお考えをお聞かせください。
鈴木◆
私の祖父は海軍軍人として戦死しています。また父は航空自衛隊の自衛官でした。そういう環境で育ったので、国防が大事だというのが私の中の根底にあります。
自民党は憲法改正を党是としている政党ですので、どの議員もそれを自覚して入党しているはずですが、憲法改正についての考え方に濃淡があるのは事実です。
憲法改正は我々が率先して取り組まなければならない目標だと思いますので、仲間にも自民党議員としての目標を思い出してもらいながら、取り組んでいければと思っています。
渡辺◆
私自身は高校卒業後に航空自衛隊に入りました。私もそうでしたが、現職の自衛官たちは、憲法9条と自衛隊、という問題には必ずぶつかり、この問題で悩んでいます。国民を守る、国家を守るという使命を背負って活動しているのに、憲法ではその存在を認められていないのです。
しかしながら、現職の自衛官が政治的発言をすることはできません。ですので、自衛隊のOBや議員が代弁していかなければならないと思っています。
(10月20日インタビュー/『日本の息吹』令和2年12月号より)