[防衛]「国家安全保障戦略(NSS)」、自公で合意に
12月12日午前、自民党は、「安全保障調査会・国防・外交合同部会」を開催し、「国家安全保障戦略」、「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」の3文書について、自民党と公明党との間で原案が合意したことを報告しました。
自公協議では、「中国についての現状認識」「弾道ミサイル防衛」「武器輸出三原則の扱い」「愛国心」の4つが昨日まで調整されていましたが、文言の修正が終わり、合意しました。
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◎ご参照:首相官邸HP 「安全保障と防衛力に関する懇談会」
・国家安全保障戦略(概要)(案) ※下記は、微修正前のもの
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/anzen_bouei/dai7/siryou1.pdf
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「国家安全保障戦略」(米英豪などでは作成されているが、我が国として始めて作成する国家安全保障に関する基本方針)では、
中国について、「東シナ海、南シナ海等の海空域において、既存の国際秩序とは相容れない独自の主張に基づき、力による現状の変更の試みとみられる対応(尖閣諸島付近の領海侵入・領空侵犯、独自の「防空識別区」の設定等)を示している」と明記。
あえて「領海侵入」という表現を使うことで、我が国の主権に対してアタックしてきていることを強く打ち出しました。中国外務省は早速、「中国の領土主権を侵すことは、いかなる国であろうとも断固として許さない」「中国は平和発展の道を堅持し、防衛的な国防政策を実行している」と反発しています。
武器輸出について、「武器輸出三原則等がこれまで果たしてきた役割にも十分配慮した上で」とことわったうえで、「移転を禁止する場合の明確化、移転を認め得る場合の限定及び厳格審査、目的外使用及び第三国移転に係る適正管理の確保等に留意しつつ、武器等の海外移転に関し、新たな安全保障環境に適合する明確な原則を定めることとする」と抜本的見直しに言及しました。
また、社会的基盤の強化として重要な国民の愛国心や国防意識の向上については、「諸外国やその国民に対する敬意を表し、我が国と郷土を愛する心を養う」という表現で決着しました。
報道では、公明党が「心を養う」という点について、教育基本法と同様に「態度を養う」と、表現を合わせるように求めたとされていますが、昭和32年に閣議決定した「国防の基本方針」に「愛国心を高揚し」とあることから、「心」に落ち着きました。
仮に教育基本法同様「態度を養う」とした場合、「国家安全保障戦略における国を愛する態度とは何を意味するか」という、本質的な議論に発展していくことも懸念されるところでした。
3つの文書は、今月17日にも閣議される見通しです。