[地方議員]地方議員から「誇りある国づくり」を~松田 良昭 日本会議神奈川議員懇談会会長、川本 学 事務局長に聞く(令和2年11月)

[地方議員]地方議員から「誇りある国づくり」を~松田 良昭 日本会議神奈川議員懇談会会長、川本 学 事務局長に聞く(令和2年11月)

[地方議員]地方議員から「誇りある国づくり」を~松田 良昭 日本会議神奈川議員懇談会会長、川本 学 事務局長に聞く(令和2年11月)

オピニオン日本

地方議会から「誇りある国づくり」を No.74

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憲法改正への熱い想いを持った「人」たちと共に

日本会議神奈川議員懇談会
会長 松田 良昭 神奈川県議

同事務局長 川本 学 神奈川県議

 

■県・市町村議会議員一体となった議連

― 現在、全国8ブロックのうち、関東、近畿、中四国、九州の4つのブロックで議連が設立されました。3つの政令指定都市を抱える神奈川県では、この度、県・市町村議会議員が一体となって憲法改正にむかうべく、日本会議神奈川議員懇談会が設立されました。
松田◆
本来であれば47都道府県それぞれに議連ができることが望ましいのですが、それぞれの地域には特色や課題がありますから、全てに都道府県議連を作るのは、そう簡単ではありません。しかしそういった部分を互いに補い合っていくという意味で、ブロック議連を立ち上げていっているんですね。
国民運動にしろ、政治運動にしろ、それを行っているのは「人」です。憲法改正運動にしても、それに取り組んでいる一人一人の点が線となり、線と線が面となり、それが立体的になっていく。そうやって一人一人の熱い想いがつながり合っていくのが、ブロック議連だと思うんです。

川本◆
この度、設立した神奈川の議員懇談会に所属するのは、自民党の現職議員だけではありません。無所属の議員や元議員、これから議員を目指している、という人たちが結集しています。
元々は3月25日に発会する予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために延期となりました。しかし、この憲法改正運動の先陣を切りたい、との思いで、この度県議会議員はもちろん、市町村議員一体となって憲法改正運動に取り組むための議員懇談会を立ち上げました。

■時代の先駆けとなってきた神奈川

川本◆
歴史的に見て、幕末の横浜開港に始まり、鉄道はじめ、様々な文明がもたらされ、全国の近代化の先駆けとなった地であり、「神奈川から日本の新しい時代が始まった」と言われております。

― と、言いますと?

川本◆
ペリーが浦賀に来航し、我が国は開国しました。もっと遡ると600年にわたる武家政権発祥の地は鎌倉でもあります。時代の変化の時には、実はここ神奈川から動き出しています。

松田◆
一方で、75年前の8月30日にはマッカーサーが厚木に降り立ちましたね。そして横浜のグランドホテルに入り、日本弱体化のために動き始めました。我が国の伝統を潰される、その出発点もまた神奈川だったと思っています。

川本◆
そういう意味でも、ここ神奈川から日本の伝統を取り戻す憲法改正運動のうねりを起こしたいと思っているわけです。
懇談会の設立大会は人数を制限し、約一〇〇名の方々にお集まりいただきました。会長である松田県議からのご挨拶の他、来賓として元参議院議員で日本会議神奈川会長の斉藤文夫氏、元横浜市議会議長で日本会議神奈川横浜支部長の藤代耕一氏、師岡熊野神社宮司で全国神道政治連盟副会長の石川正人氏にお越しいただきました。

― 県議会議員だけでなく、市町村議員も一丸となって憲法改正運動に取り組んでいく体制が作られた、という点では、全国的にも画期的ですね。

川本◆
都道府県議会議員で構成される議連は全国でも40都道府県で設立されていますが、神奈川県では政令指定都市である川崎市でも議連が設立されています。また衆議院選挙区ごとに設立される「国民投票連絡会議」は、18の選挙区のうち、8つの選挙区ですでに設立されていて、他に7つの選挙区が設立準備中です。

■自分自身に誇りを持つために

松田◆
運動を行っているのは、一人一人の「人」であるというお話をしましたが、これもそういった「人」が集まってきた、ということだと思います。憲法改正への思いを持った人たちが自発的に動いてきた結果だと。

川本◆
憲法改正っていうと難しい問題のように聞こえますが、分かりやすく言えば、「自分の家(国)のルールは自分で決めたい」、ということでしょう。
75年前、自分の家(国)のルールを他所(他国)の人たちに決められてしまった。もうそろそろ自分の国のルールは自分たちで決めましょうよと。それが憲法改正ということだと思います。

松田◆
私は日本ほど良い国はないと思っています。日本という国にも誇りを持っていますし、日本人である自分にも誇りを持っています。幼いころから、祖父や父から「自信を持て」と言われて育てられました。ですので、「日本が嫌い」「日本に誇りを持つことができない」という人たちが、なぜ、そういう考えを持ってしまうのか、どうしても理解ができません。
私自身は、誇りある国・日本をよみがえらせたい、皇室のすばらしさを伝えたい、と思っています。そのための憲法改正なのです。
幸いにも神奈川県には、憲法改正への熱い想いを持った「人」がたくさんいます。そういう人たちの思いを大事にしつつ、また互いに励まし合いつつ、ここ神奈川県から時代を動かしていきたいと思っています。

(8月26日インタビュー/『日本の息吹』令和2年11月号より)

[地方議員]地方議員から「誇りある国づくり」を~柳居俊学 山口県議、弘田兼一 高知県議に聞く(令和2年9月)

オピニオン日本

地方議員から「誇りある国づくり」をNo.72
9月号地方議員

危機管理の視点が抜け落ちている現行憲法

 日本会議中四国地方議員連盟
 会長 柳居 俊学 山口県議会議長

 同副会長  弘田 兼一 高知県議会議員


■中四国地方議員連盟が設立

― 7月22日に、日本会議中四国地方議員連盟が設立されました。中四国では、広島県議連が平成19年、岡山県議連が平成26年、山口県議連が平成29年に設立されましたが、そこからしばらく中四国地方の他の県の議連設立はありませんでした。しかし、柳居先生の各県へのお声かけで中四国議連をまず作ろうとなりました。

柳居◆
憲法改正の大きなうねりを作り出すためにも、協力させていただこうと考え、昨年10月に中四国議連設立に向けた第一回の世話人会を岡山で、第二回を2月に広島で開催しました。

弘田◆
昨年秋に、山口県議会議長の柳居俊学先生から、「中四国議連を作りたいので協力してほしい」とのお声掛けをいただき、我が高知県でも議連を作ろうということで動き出しました。当初、個人の意志で日本会議に加入していた自民党会派の県議が6人おりましたので、まずはそのメンバーに声を掛け、協力を呼びかけました。その後、12月議会で議連の設立を提案しましたところ、会派の21人の議員全員の賛同を得て、12月19日に高知県議連を設立致しました。

柳居◆
鳥取県が本年3月14日に設立されました。島根県では「憲法改正にかかわる研究会」が発足し、愛媛、香川についても、現在設立準備中です。7月22日に広島市で開催した中四国議連設立総会は、中本隆志広島県議会議長はじめ広島県議の皆様に尽力戴き、広島県下の多数の市町村議員にも出席戴きました。

■「コロナ」で明らかにされた危機管理の問題

― 中四国議連の設立大会は、当初4月に予定されていました。

弘田◆
新型コロナウイルスの影響で延期となり、7月の設立となりました。
実は、高知県議連の中でも憲法に対していろんな考えを持った人がいます。そういう人たちに対して「新しい時代にふさわしい憲法議論を進めましょう」と呼びかけてきたのですが、この度の新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、我が国の憲法には、こうした事態に対する危機管理という視点が抜けていることが明確になったわけです。メディアなどでは「コロナを憲法改正のツールにするな」といった意見もあるようですが、しかし現実的に、今の憲法では国民の生命、財産を守るための迅速な対応ができない、と言うことが露呈されました。

― 給付金の支給が遅いなどといった指摘もありましたが、これは安倍政権が悪いというより、緊急事態条項など、有事の際に対応するための仕組みがないことが問題なわけですね。

弘田◆
しかし一方で、そういった憲法の問題について国民、県民に知ってもらうための我々の努力が不足していた、というのも事実です。緊急事態になってから気付いたのではどうしようもありませんから。
ですから、こういったことについてさらに見識を深め、また地元の方々に知っていただくためにも、高知県議連として憲法改正に向けた研修会を行っていきたいと考えているところです。

■安倍総理と共に憲法改正を

柳居◆
最近の新聞での世論調査などを見ていても、憲法改正を望む国民世論が高まりつつあるように感じています。けれども、一部の護憲野党は、全く審議に応じようとせず、憲法改正原案の審議の前段階となる「国民投票法」改正案の審議すら、提出から2年も放置され続けています。
安倍総理のご発言などから、私は、総理は憲法改正に強い意欲を持っていると感じています。6月20日、橋下徹氏と対談された際も、「何とか任期中に国民投票までいきたい」と述べられていますね。また憲法審査会での審議停滞についても「民主主義は、全員のコンセンサスが取れればいいが、それは無理だ。その時は多数決で決めていくということだ」と発言されています。
これまで憲法審査会では、与党野党全会一致で話を進めるという慣例を利用して、護憲政党がその審議をストップさせてきた現状がありましたが、これを突破する意思の表明だと思います。長年憲法改正を望んできた私としては、安倍総理にはリーダーシップを発揮して、憲法改正に突き進んでいただき、地方議会においては憲法改正論議を求める意見書の採択や各地域での憲法改正研修会の開催など、地方でできる運動に更に取り組んでいきたいと思います

弘田◆
憲法改正というと9条や緊急事態条項がクローズアップされますが、地方に住んでいる者としては、地方を如何に活性化するのか、ということも喫緊の課題です。特に平成28年の参議院選挙から、高知と徳島、鳥取と島根は合同選挙区となりました。これではそれぞれの県の民意を伝えることが難しくなりますし、将来的に四国で一人、などということにもなりかねません。各都道府県で定数1は保障する、ということを憲法に明記すべきだと考えています。

(7月22日インタビュー/『日本の息吹』令和2年9月号より)

[地方議員]地方議員から「誇りある国づくり」を~加地邦雄 福岡県議に聞く(令和2年7月)

オピニオン日本

地方議員から「誇りある国づくり」をNo.70

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憲法改正勝利のため、組織基盤の充実を!

日本会議九州地方議員連盟
会長 加地 邦雄 福岡県議に聞く

憲法改正に勝利するための「福岡方式」とは何か


■憲法改正を目標に組織基盤強化を図る「福岡方式」

― 日本会議九州地方議員連盟総会が今年2月に開催されました。実は、九州議連は、全国に先駆けて平成24年に設立されていました。

加地◆
昨年来、全国で設立されている各ブロック議連は、明確に憲法改正のための組織づくりを目指して設立されました。そこで2月の総会では、九州議連が取り組む憲法改正運動についての指針を提示し、九州一丸となって強力な組織づくりをしていこうという目標が確認されました。
具体的には、憲法改正を求める1000万人署名運動の成果報告や289選挙区のうち九州の31選挙区に憲法改正連絡会議を設置していこうという目標、国民投票に向けた勉強会の開催などについて議論をしました。また、現在338名の加盟議員数を500名にまで増やしていこうとそれぞれの役割を確認しました。―  憲法改正に向けて、再スタートを切ったわけですね。

加地◆
実は地方議員の中には、憲法問題を扱うことにアレルギーがある議員が多い。ですが私は、憲法改正を訴えるということが、そのまま組織基盤の強化になると思っているんです。

― どういうことでしょうか?

加地◆
私共の間では「福岡方式」と呼んでおりますが、まず国会議員を筆頭に県議、市議、そして議員の夫人まで組織の中に入れます。それから日本会議や神社庁、防衛団体、女性団体、青年会議所など若い人達などを巻き込み、憲法改正を一つの目標にしつつ小選挙区で勝てる組織をきちっと作ろうではないかという考えです。諸団体の方々とお話をしていると、「議員は憲法について不勉強だ」という声をよく聞きます。それはその通りなんです。なぜかと言うと、これまで憲法改正を謳った議員は厳しい選挙を戦って来たわけです。地方議員は地方の問題だけ取り上げればいいという空気があるからです。しかし憲法改正は最終的には国民投票で決まります。つまり、選挙と同じになるわけだから、憲法について理解し、憲法改正をしっかり訴えることができる議員を育てていく、ということがとても大切になってきます。と同時に、憲法改正を謳った議員が選挙に勝ち残らなければなりません。そのためには、国民の間に憲法改正への理解を深めていくことが必要です。そうでなければ、議員の心が憲法改正から離れていくことは已むを得ません。自民党福岡県連は憲法改正に理解があり、「我が国の国柄をよみがえらすためには憲法を改正しなければならない。国民自らが作っていく憲法を目指さなければ、日本の再興はあり得ない」という考えの下で、この福岡方式の基盤を作ってきました。

― なるほど、議員と国民の双方の理解が深まれば、組織強化にもなりますし、憲法改正にもつながりますね。

■憲法とは基本ソフト

加地◆
そう考えて、安倍総理にもこの福岡方式をご紹介しました。こうした考えのもと、現在、福岡県の議員連盟としても組織拡大を図っています。地方議員には自民党所属議員が意外に少ない。市区町村議会は無所属が多いわけです。ですから無所属の議員にも、憲法改正に理解がある仲間を増やして行こうと働きかけをしています。現在福岡では、60自治体のうち32の自治体で憲法改正の意見書決議が採択されました。7つの自治体では否決されたのですが、それを入れると39の自治体で憲法改正について議論されたことになります。さらにあと10くらいの自治体で、採択を目指して努力しているところです。

― 福岡の11選挙区全てで憲法改正連絡会議も設置されていますね。

加地◆
福岡では国会議員を筆頭に、憲法についての研修会も開催してきました。今は新型コロナウイルスの影響で開催できていませんが、落ち着きましたらまた進めていく予定です。いくら正論でも、憲法についての難しい話をしていては、その声は市民に届きません。私は憲法とはコンピューターの基本ソフトのようなものだと説明しています。つまり全体を管理し、制御し、動かすものですね。しかし時代や状況によって不備が出てきますから、アップデートが必要です。それを70年も放置してきたのが日本国憲法ですよ、と。もっと柔軟に考えて良いと思います。

― 憲法改正について、わかりやすく説明し、理解を広めていくことは、来る国民投票への備えともなりますね。

加地◆
本来、憲法とは歴史と伝統と文化の上に作られるべき基本法です。歴史伝統文化と対話するプロセスの中で、血の通った憲法を作るべきだと思っています。今から50年前、三島由紀夫先生が市ヶ谷の自衛隊駐屯地で自決されました。当時20歳だった私は楯の会の会員でした。三島先生は、皇室を中心としたあるべき日本の姿を訴えてこられましたし、市ヶ谷では「憲法改正によって、自衛隊が建軍の本義に立ち、真の国軍となる」ことを呼びかけられました。私自身、三島先生の思いを受け継いで、素晴らしい皇室を戴く、誇りある日本を取り戻したいと思っていますし、そのためにも憲法改正は必要だと考えています。しかし今、私たちが直面しているのは新型コロナウイルスとの戦いです。5月12日付の産経新聞には、憲法に緊急事態事項を盛り込むことに65%が賛成しているという記事が載っていました。安倍総理を始め、政府としては、今は国民の命、生活、産業を守るという後姿をしっかりと見せるときではないかと思います。政府は、本気で国民を守ろうとしている、という姿勢が国民に伝われば、憲法改正が発議されたとき、国民にもその意図が伝わるのではないでしょうか。

(5月12日インタビュー/『日本の息吹』令和2年7月号より)

[地方議員]地方議員から「誇りある国づくり」を~中村奈良県議、植村奈良県議に聞く(令和2年6月)

オピニオン日本

地方議員から「誇りある国づくり」をNo.69

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国民の生存を守れる憲法へ

日本会議奈良地方議員連盟
会長 中村 昭 奈良県議会議員
筆頭幹事 植村 佳史 奈良県議会議員

地方議会でなぜ憲法論議を求める声を上げるのか―
新型肺炎の危機に際し、いまこそ国民の生存を守れる憲法に!


■憲法論議を求める意見書を採択

― 今年の三月二十五日、奈良県議会では「国会における憲法論議の推進と国民的議論を求める意見書」が採択されました。憲法に関わる意見書の採択は42都道府県となりました。

中村◆
奈良県議会には八つの会派があります。このうち二会派の反対があれば、否決されます。以前に一度、憲法改正に関する意見書を提出したことがありますが、その時にいくつかの会派が反対したことで、否決されました。憲法や安全保障などイデオロギーが関わる事案については、それ以降、議題になっていません。

― それが今回は、共産党系の会派のみの反対で、採択にこぎつけたということですね。

中村◆
当初、国民民主系や社民系などの会派は、憲法問題について審議することすら反対していました。私は、憲法改正をなんとか成し遂げたいという思いが強くありましたから、反対する議員とも日頃から良い関係を築いたり、他の会派が提出する意見書についても、きちんと向き合ったりするなど誠意を示してきました。そして、憲法についての論議を進めることは、今の日本にとっても大事なことではないかと理解を求め続けた結果、先の意見書決議をあげることができました。

■地方から国を動かそう

植村◆
奈良県議会で、憲法についての意見書が採択されたことは、画期的なことです。奈良県では、中村先生が会長となられて日本会議奈良地方議員連盟が設立されました。中村会長のリーダーシップの下で、今回の意見書採択をすることが出来たと思っています。

― 意見書を採択するためのハードルが高い地域にとって、今回の奈良のケースは大きな励みになるのではないでしょうか。

植村◆
そうなれば嬉しいですね。同じような状況で採択が進まない地方もあると思います。しかし奈良県議会でできたわけですから、他の地方議会にも働きかけたり協力したりできればと思っています。

中村◆
議連に集まったメンバーは皆さん意欲的な方ばかりです。もともと県議会議員は、県民とともにより良い地域社会を作ろう、ということで道路を整備しようとか、そういうことをメインに考えるわけですね。ですから、地方議会で憲法にかかわる決議をあげるというのはなかなか困難な事なのです。

植村◆
各市町村議会に対しても、憲法改正にかかわる意見書提出の呼びかけの文書を配布しました。前向きに推進してほしいと期待しています。

中村◆
本来ならば、憲法や外交、安全保障などは、国が責任を持って議論を進めなければならない。日本国憲法が制定されて七十三年が経つわけですが、憲法審査会すらまともに開けていないのが現状です。国会議員は、国民の福祉や幸せに責任を持たなければならないのに、その責任を果たす意欲に欠ける国会議員が多すぎるのではないでしょうか。

―  地方議会でこれだけの決議が上っている、これだけの勉強会が行われている、という数は、国会議員にとっても大きな後押しになります。

中村◆
奈良県には選挙区支部が六つあります。自民党からの通達も届いています。しかし、現時点で二つの支部しか勉強会を開いていない。

植村◆
私共としましては、まだ開催されていない支部の国会議員にも働きかけながら、憲法について考える勉強会を開催していきたいと考えているところです。

■国の歴史文化と国民の生存を守るために

中村◆
ぜひとも、国会議員の先生方には、国民の生活、幸せを守るためにも、憲法改正についてしっかりと議論してもらいたい。もちろん、憲法の問題は、我々日本人一人一人の問題でもあります。七十五年前に我が国はポツダム宣言を受諾し、敗戦しました。そしてGHQによる占領を受けました。日本国憲法は、戦勝国が敗戦国に押し付けたものです。ですからそこに書かれていることは、我が国の歴史や文化に基づいたものではないわけですし、本当に国民の生存を守れるものかどうか疑わしいわけです。自衛隊についてもそうですね。東日本大震災のときもそうですし、今回の新型肺炎でもそうですが、自衛隊は国民の安全を守るために、懸命に働いてくれています。その自衛隊が誇りと自信を持って務めを果たせる憲法に変えていかなければならない。私も日本人の一人として、また県議会議員の一人として、日常の政治活動と共に、我が国の重要課題である憲法改正についても考え、訴えていきたいと思っています。

植村◆
今回のコロナウイルスの問題を見るとよくわかりますが、日々増え続ける感染者の数を見ていると、危機が身近に迫ってきているということをひしひしと感じるわけです。四月には緊急事態宣言も出されましたが、要請しかできない、とか、罰則規定がない、とか、外国との違いが浮き彫りになってきています。多くの諸外国には憲法に緊急事態条項がある、我が国の憲法にはそれがない。おそらくこれまで憲法について考えたことがなかった人でも、外国との法律の違いがあることが解ってきたのではないでしょうか。こういう時だからこそ、憲法の在り方について議論をすべき時ではないでしょうか。

― 国会議員、地方議員、国民が一緒になって考え、議論を深めていきたいですね。

植村◆
幸いにも奈良県では、勉強会などを通して、中村会長を中心に人が集まってきています。勉強会もそうですが、そのあとに開く懇談会などで、中村会長のお人柄に触れた人たちが、憲法などの問題に関心を示し、仲間になってくれています。そういう人たちと一緒に、憲法について議論する輪を広げていきたいと思っています。

(4月8日インタビュー/『日本の息吹』令和2年6月号より)

[地方議員]地方議員から「誇りある国づくり」を~近藤永太郎京都府議に聞く(令和2年5月)

オピニオン日本

地方議員から「誇りある国づくり」をNo.68

 tihougikai0205

国民を守れる憲法へ、意識喚起を

日本会議近畿地方議員連盟会長
近藤 永太郎 京都府議会議員に聞く

自民党通達は、憲法改正を実現するための取り組みを一つ一つ重ねていた我々にとって、大きな後押しとなった。新型肺炎という未曽有の危機に直面する今こそ、国民を守れる憲法へするため意識喚起を図りたい

■大阪が起点

― 昨年11月25日、日本会議近畿地方議員連盟(以下、近畿議連)が設立されました。そこにいたる経緯をお聞かせください。

近藤◆
平成20年、近畿ブロックで初となる日本会議大阪地方議員連盟が設立されました。そこから12年を経て、ようやく近畿ブロック議連を立ち上げることが出来ました。大阪では、吉田利幸前大阪府議のご尽力が大きかったんです。吉田前府議は、大阪府議会、大阪市議会、堺市議会などの10市議会をまとめ約100名を集めて、議連を設立されました。強いリーダーシップを発揮されました。その後、近畿のブロック議連を作る、という構想の中で、平成25年からは毎年、近畿ブロック会議を開催してきました。全7回会議が行われましたが、その流れの中で、京都府や兵庫県の地方議員連盟も出来ていきました。

― 6年に亘る会議の積み重ねで、ようやく近畿議連が設立されたわけですね。

近藤◆
昨年10月に和歌山県の議員連盟ができました。和歌山はなかなか議連が設立できなかったんですね。先に近畿議連を立ち上げてしまおう、という議論もありました。ですが、私としてはやはり、現場で議連設立に向けて頑張っておられる議員の先生もいらっしゃいましたので、和歌山県議連の設立を待ちたい、という考えでした。

■自民党幹事長通達が起爆剤となり憲法研修会が各地で開催される

そのような中で、和歌山県議連設立のきっかけとなったのが、昨年10月に自民党本部から出された憲法集会を促す通達でした。これは二階俊博幹事長名で出されたもので、都道府県連、地域支部が協力して、憲法改正研修会を開催するように呼びかけたものでした。和歌山は二階幹事長のお膝元です。さっそくその通達が効力を発揮して、昨年10月18日、二階幹事長出席の下、1600名が参加して「憲法を考える県民集会」が開かれました。通達後、最初の憲法研修会となったわけですが、これが起爆剤となり、全国各地で憲法研修会が開かれるようになりました。そしてこの時に、和歌山県地方議員連盟も設立されたのです。

― 党本部からの通達はやはり力がありますね。

近藤◆
そう感じています。実は、今年2月20日付で、党の組織運動本部から通達が出されました。「友好団体に向けての憲法改正議論喚起のお願い」というものです。以前の通達は、憲法研修会を行うように、というものでしたが、今回はそこから一歩踏み込んだ形になっています。友好団体の地方組織が憲法改正の研修会を行う際には、各支部連合会として協力をするように、とあるのです。友好諸団体が開催する憲法改正の研修会には積極的に参加したり、講師派遣の協力をしてほしい、という通達なんですね。しかしながらこれらの通達は、必ずしも府県連会長に周知されているわけではありません。ですので私どもとしては、この通達をしっかりと周知するとともに、憲法研修会をさらに開催し、また友好団体の研修会も一緒に盛り上げていきたいと考えています。

― 近畿ブロックでは、和歌山県の他にも、既にいくつか憲法研修会が開催されていますか?

近藤◆
はい。中でも、特筆すべきは兵庫県での開催です。今年2月8日に、加東市支部と宝塚支部主催でそれぞれ憲法研修会が開催されました。講師は2会場とも稲田朋美衆議院議員です。同日の午後と夕方に開催することで、講師の先生の負担軽減にもなりますし、効率よく開催できるようになるわけです。近畿議連では、このスタイルを活用していきたいと考えています。
― いろいろ工夫することで順調に開催できますね。

■国民を守れる憲法に

近藤◆
ところがこの度の新型コロナウイルスの影響で、既に何会場か中止を余儀なくされました。コロナウイルスはまさに「未知との遭遇」です。地震や台風などの自然災害ではありませんが、未曽有の危機に直面していると思っています。政府も必ずしも実態を正確に把握できていない、医師も見解が分かれる、という状況です。危機感を持つことは大事ですが、不安を煽ってはいけない、と考えています。国としては「国民の命を守る」「財産を守る」「生活、暮らしを守る」ことが大事です。「新型インフルエンザ等対策特別措置法」の法改正が成立し(3月13日公布、14日施行)、新型コロナウイルスにも適用されることとなりました。もちろんこれも緊急に対処するための一つの方法ではありますが、これで全て良しとするものではありません。

― 様々な場面で、個人の人権が制限される場面も出てきます。

近藤◆
そうしたことも含め、国民を守るため、社会を維持するために憲法はどうあるべきかについて、国民で議論していかなければならない事態に直面していると思います。世界に目を向けても、中国はもちろん、ヨーロッパやアメリカでは、ものすごい勢いで感染が拡大しています。一方、我が国は、様々な措置を行いながら、現在までは何とか発生数をゆるやかに抑えていますし、医療崩壊もしていません。もちろん予断は許しませんが、私は、我が国が国際的に果たす役割が大きくなっているようにも思います。だからこそ、きちんと存在感を示せるような国家になるためにも、緊急事態条項をはじめとする憲法の在り方をしっかりと議論し、国民を守れるような憲法に変えていかなければなりません。憲法改正が発議されれば、国民投票が行われるわけですが、それに備え、国民一人一人が、自分を見つめ、自分が所属している国を見つめてゆく、そんな意識喚起もしていきたいと思っています。

(3月20日インタビュー/『日本の息吹』令和2年5月号より)

[地方議員]地方議員から「誇りある国づくり」を~古賀都議、中屋都議に聞く(令和2年4月)

オピニオン日本

方議員から「誇りある国づくり」をNo.67

 tihougikai0204

「1千名ネットワーク構築に向けて
~1千名のネットワークを目指し、憲法改正の機運を関東から高めていきたい」

日本会議関東議員連盟
古賀 俊昭 都議会議員
中屋 文孝 都議会議員 に聞く

 

■憲法議論の推進を求める意見書の採択

― 昨年11月、全国に先駆けて日本会議関東議員連盟(以下、関東議連)が設立されました。

古賀◆
11月6日に衆議院議員の稲田朋美先生にお越しいただいて、関東議連を結成することが出来ました。現在、加盟議員は500名ほどです。各選挙区で勉強会を開催しながら、これを1千名にしていきたい、というのが、私たちの目標です。

― 勉強会とは、具体的には?

古賀◆
自民党の小選挙区ごとに、国会議員、それから都県議会議員、市区町村議会議員が参加して勉強会をします。憲法改正の問題を最優先に取り扱うことが出来れば一番良いのですが、それぞれの自治体の議会構成に任せて、柔軟にやっていければと思っています。その勉強会を経て、市区町村議会で「国会における憲法議論の推進と国民的議論の喚起を求める意見書」を採択していく、という流れを作っていきたいと考えています。

中屋◆
自民党本部からは、「憲法改正研修会」の開催要請が全衆院選挙区支部へ送付されています。つまり、各支部で憲法改正についての勉強会を開催しなさい、という通達ですね。この通達を受けて、しっかりと勉強会を開催している支部もあれば、そうでない支部もある。例えば、神奈川県の3つの選挙区では「未開催で予定もない」状況でした。そこで県の憲法改正推進委員会の委員長からそちらの支部宛に、「憲法改正研修会の開催についての要請」を行いました。それによってようやく勉強会開催への動きが出てきました。

― なるほど。党の通達と同時に都道府県連からも通達を出すことで、勉強会を着実に実施していくことが出来るわけですね。

古賀◆
現在、関東には8つの都府県がありますが、その全てで憲法改正についての意見書を提出し、採択されています。次は、市区町村単位でも意見書を提出できるよう、働きかけをしていくところです。現在、加盟している議員の多くは都県議会議員です。勉強会を開催しながら、市区町村議会の議員の先生方にもどんどん加盟していただいて、1千名のネットワークを目指し、憲法改正の機運を関東から高めていきたいという思いを持っています。

中屋◆
九州の話になりますが、福岡では市区町村で60議会がありますが、そのうち意見書は32議会ですでに採択されています。一方で12議会は全くの手付かずだそうです。これは何かというと、その12議会には日本会議地方議員連盟の加盟議員がいない、ということなのです。つまり、加盟議員を増やすということは、地方議会の意見書採択をできるかどうかに大きく関わっているんですね。もっと言えば、日本会議地方議員連盟が、今日の地方議会の憲法改正運動をリードしていると言っても過言ではありません。

古賀◆
昨年12月29日の毎日新聞に載った憲法改正についての世論調査によると、実に75%が憲法改正に賛成なんです。護憲勢力と言われる毎日新聞が調査してもこうなったわけです。この結果は、これまで憲法改正運動に取り組んできた我々にとっては大変励みになります。私個人の思いとしては、この憲法改正運動というのは、「宮澤憲法学」との戦いでもあると思っています。GHQの占領下で日本国憲法を押し付けられたわけですが、それを正当化するために、憲法学者、宮澤俊義氏が「八月革命説」なる奇想天外な邪説を唱え、マッカーサーに迎合しました。その宮澤憲法学の教え子たちが、今日、官界や学界、法曹界に入っている。ですから私はこの運動は、この宮澤憲法学を突き崩す運動だと思っているのです。

■国境離党、対馬を守れ

― 関東議連として今後はどのような問題に取り組む予定でしょうか?

古賀◆
私が今気がかりなのは、対馬の問題です。対馬が韓国人の旅行客に頼らない形で経済を立て直すにはどうすればよいのか、地域経済の自立も大切ですが、そもそもこれは国境管理の問題です。最近、対馬海峡には中国の海底調査団が来ているとも聞きます。中国はまず、日本人に対して、「日本はアジアを侵略した」「南京大虐殺を認めろ」などと思想侵略をしてきました。それから人口侵略。中国人旅行客のビザの緩和や入国条件の緩和をやりましたね。今、来日する外国人の中で最も多いのは中国人ですよ。最後が軍事侵略でしょうが、それももうそこまで来ているような気がします。「国境」と「国防線」は違う。普通、国境よりも外側に国防線を引くわけです。この国防線を超えられたら国境が危ないと。そのことを明治の政治家は分かっていました。だから満州にいたロシア軍を警戒して、朝鮮半島に国防線を引きました。国境が侵されて初めて戦うという専守防衛が如何に間違っているかということは、歴史に学べば明らかです。

― 対馬は、白村江や元寇など、歴史的にも国防の最前線であり続けました。

古賀◆
白村江の戦いの時には、天智天皇の下で、日本が国境警備を固めるとともに、百済に国防線を引きました。

― 対馬には、天智2年に対馬の防備を固めるために作られたと言われる金田城址がありますね。

古賀◆
今度5月に、地方議員連盟で対馬に行くツアーがあり、金田城にも行くようです。関東議連としてもここに参加したいと思っています。

中屋◆
そうですね。全国に先駆けて関東議連を設立したわけですから、モデルとなるような取り組みをしたいですし、それが全国に波及していくことを願っています。

※訃報 古賀俊昭先生には、3月9日、急逝されました。享年72。ご生前のご厚情に深く感謝し、謹んで哀悼の意を表します。
(令和2年1月23日インタビュー/『日本の息吹』令和2年4月号より)

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